しいたけ情報
しいたけの戻し方
日本には三大旨み成分というのがあります。
乾しいたけが美味しいのは、グアニル酸という成分を含んでいるから。
このグアニル酸は、昆布がもつグルタミン酸、カツオブシが持つイノシン酸と並び三大旨み成分として有名です。
味の素はこの中の一つ、グルタミン酸(正式にはグルタミン酸ソーダ、略してグルソー)を製造して『味の素』を販売しているので有名ですよね。
乾しいたけのホントのおいしさを引き出す鍵は「戻し方」にあります。このポイントさえ押さえれば、乾しいたけの持つ本当のおいしさを味わっていただけます。
最近ではテレビでも上手な戻し方を教えてくれてたりしますね。
ベストな戻し方は…冷水に浸して冷蔵庫の中で24時間!!です。
詳しくいえば水分を乾しいたけの細胞の奥の奥までじっくりと時間をかけてしみ込ませ、リボ核酸と酵素が活発に働きグアニル酸を増加させるのです。
これは肉厚のホール(丸)の場合ですので、肉薄や細かく刻んだりスライスして戻せばもっと短縮できます。(ちゃんと水を吸わせていないとあとで煮立った時に旨みを十分に引き出せません)
もちろんお急ぎの場合は、ぬるま湯に椎茸を浸してラップをかけて電子レンジという方法もあります。この場合は約2分~5分加熱して下さい(大きさや肉の厚みで時間は変わります)。
★★ここからは余談ですが★★
うまみは加熱調理の際にもたらされますが、生シイタケとくらべて、干しシイタケがグアニル酸の量を大幅に増やすのは、「乾燥」→「戻し」という過程の中で、リボ核酸と酵素が出会いやすくなる環境が十全に整えられるためです。
と某テレビ局で放映してくれていました。
さらに続きがあって、
「椎茸の酵素は熱に敏感で、常温やぬるま湯ではうまみは作られるが、同時に壊してしまう酵素も働くので、うまみは増えないのです。高温では、熱で両方の酵素が壊されるので、うまみはそもそも生まれません。」と言っていました。勉強になります。
●乾しいたけ特有のにおいについて
椎茸が苦手な人って結構いますが、大半の人はこの独特の匂いのせいなんですね。中国料理では、椎茸の強すぎる香りを緩和させるために、蒸していました。蒸すことで、ニオイは抑えられ、なんとうまみがアップしていたのです。
椎茸には、うまみ成分グアニル酸を作る酵素と、壊す酵素が存在します。この2つの酵素は、よく働く温度が異なります。作る酵素だけをよく働かせる温度は50℃~70℃。この温度帯では、壊す酵素は失活し始めています。
ということは、早く50℃以上にたどり着き、その温度帯(50℃~70℃)に長くいる調理法が望ましいのです。
それではベストな調理法とは?
戻した椎茸を用意して、
1.強火で鍋にかけて、鍋の周りの部分に気泡が付いてきたら火を止める。
2.10分の放置。ここでうまみを作る酵素がよく働く50℃~70℃を保持し、うまみをたくさん作ります。
3.10分沸騰でにおい消し。ニオイ成分は10分間沸騰させることで、ほぼ蒸発します。(味つけ後(調理中)に、10分間沸騰させてもかまいません)
一度試してみては?
椎茸の栄養成分は?
干し椎茸の栄養成分は次のようになります。 エネルギー kcal 182 水 分 g 9.7 タンパク質 19.3 脂 質 3.7 炭水化物 63.4 灰 分 3.9 無機質 ナトリウム g 6 カリウム 2100 カルシウム 10 マグネシウム 110 リン 310 鉄 1.7 亜 鉛 2.3 銅 0.5 マンガン 0.87 ビタミン D μg 17 B1 mg 0.5 B2 1.4 ナイアシン 16.8 B6 0.45 葉酸 μg 240 パントテン酸 mg 7.93 脂肪酸 飽和 g 0.37 一価不飽和 0.06 多価不飽和 1.42 食物繊維 水溶性 3 不溶性 38 総量 41
(可食部100gあたり)五訂日本食品標準成分表より
このように干し椎茸には体に有効な成分が含まれています。カリウムが豊富に含まれていることもポイントですね。カリウムにはナトリウムを排出する作用がありますので、インスタント食品や外食が多い食生活では必須の成分といえます。この他にもビタミンDを天日にあてることによりビタミンDを増加させることが出来ます。カルシウムを体内に吸収させるには、ビタミンDが必要なこと知っていますか?
●ビタミンDを増やす方法とは?
ただでさえ乾しいたけはビタミンDが多いのですが、それをさらに増やすことができます。
現在の乾しいたけのほとんどは、天日乾燥ではなく乾燥機による機械乾燥です。これはコストの問題や異物混入防止の為といえます。
椎茸の中にはエリゴステロールというビタミンD前駆物質があり、これは紫外線を当てるとビタミンDに変化します。つまり、買ってきた乾しいたけを日光(紫外線)に当てれば内部のエリゴステロールがビタミンDに変化するのです。ある情報テレビ番組では、日光に30~1時間当てることで当てる前の10倍のビタミンD量になると紹介されていました。また、日光に当てる場合は、ヒダの方を上に向けるのが重要です。
★血圧降下作用
●血圧を下げるには戻し汁が特にいいみたい
血圧低下作用があることも有名です。特に、乾しいたけの戻し汁を毎日飲んで血圧が下がったという話はよく聞きます。
これは、コレステロール低下作用と同じように、椎茸に含まれるエリタデニンという成分の働きです。また、エリタデニンは水に溶けやすいため、戻し汁に多く含まれます。血圧が高めで悩んでいる人は、乾しいたけの戻し汁を毎日飲んでみることを試してみるのも有効でしょう。
★コレステロール低下作用
●悪玉コレステロールを減少させる
コレステロールには2種類のものがあることはよく知られています。善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロール」と、悪玉コレステロールと呼ばれる「LDLコレステロール」です。
動脈硬化などの原因は、LDLコレステロールにあるといわれています。逆に、HDLコレステロールは動脈硬化を防ぐ働きを持っていると考えられています。きのこがコレステロールを低下させるというのは、この悪玉のLDLコレステロールを低下させるという意味です。椎茸に含まれるエリタデニンという物質が、悪玉コレステロールを下げる働きを持っているのです。
★体の抵抗力を高めるきのこ類
●インターフェロンの生産を促進
椎茸の持つ薬効の大きなものに “免疫力を高める” というものがあります。
人間の体は、外から体内に入ってくるウィルスなどの外敵を、白血球やリンパ球、インターフェロンなどが攻撃して体を守ります。椎茸をはじめとするキノコ類は、これらの細胞の働きを高めます。つまり、免疫力(抵抗力)を高めることにより、総合的に病気にかかりにくい体になるのです。その結果、ガンに対する抵抗力・予防力、インフルエンザ、エイズなどのウイルスに対する抵抗力、そのほかいろいろな外敵に対する体の防衛力を上げることができるのです。
2014年 中国椎茸の生産状況について
■産地状況
全ての産地において(河南省・福建省・浙江省)、椎茸を増産しようと植菌数を昨年比で10%~30%多く植菌いたしました。しかし、8月~9月にかけて夏場の高温が続き、約20%~30%の菌が死滅しました。
増やそうとした生産量は、結果として昨年より昨年並み~10%減となってしまいました。
また、石炭・重油や生産に係わる諸経費の上昇や、生産・選別に携わる人件費の上昇といったコスト増により産地価格が昨年よりも上昇しております。
■中国市場について
・生椎茸の国内消費量はこの4年ほど毎年約30%前後伸びている。
・インフラの整備が進み全国へ生鮮での配送が可能になってきている。
・保冷輸送が可能になっており野菜と同じ価格で供給が可能となってきている。
・中国内での干し椎茸も、かつての高級品から大衆品へと移行しており、消費量が増えています。
・日本は円安、中国は元高の状況にあり、中国製品全般を日本国内に輸入しようとすると、昨年と同じ相場でも値上がりになってしまう。
各公司ともヒネ 在庫の手持ちはほとんどありません。全体的な椎茸の生産量が減少している中で、生での出荷量が増大し、乾燥椎茸の価格が上昇しています。こうした背景で輸 出公司は新物の在庫も抱えない様にしている為、こちらからある程度の量を注文しないと産地から原料を取り寄せてこない状況です。
●菌床椎茸(黒面)
黒面生産は、年々減少傾向が続いておりますが、主な要因としては中国内での主な需要が光面であることと、光面よりも生産に手間が掛かる点があげられます。毎日広大なハウス内での散水作業があり(光面は週一回程度)、この作業が減産・高値傾向の原因のひとつに上げられます。今では光面よりはるかに高い椎茸となってしまいました。
●光面椎茸
黒面と違い管理のしやすさを理由に、光面栽培への移行がすすんでおり、菌床椎茸の大半は光面椎茸になりつつあります。原料確保の面で黒面より扱いやすい椎茸になっています。
●原木椎茸
中国国内の自然保護を目的に森林伐採が自由に出来ないため、生産の元となるホダ木が入手困難な状況にあります。ホダ木がないために生産量は年々減少し、相場は引き続き上昇傾向にあり、下がる要素は見つかりません。また、単価以前に必要な量を入手するのが非常に困難な段階に入っております。
中国内での需要も底固く、特に手頃なサイズが集まりにくい状況です。今後もこの傾向は続き年々悪化するものと考えられます。
●木耳
生産の殆どが輸出向けとなっている裏白木耳ですが、昨年の価格下落の影響を受け、農民の生産意欲が減少し生産量20~30%減となっています。現地価格は昨年比10~20%増となります。
- 2014.03.28
- 11:03
中国産しいたけの安全確認について(2007.07.15)
最近は中国産製品の品質について報道をにぎわわせていますね。
しかも、中国産キクラゲにて残留農薬が検出されたという報道もされていました。
当店にものユーザー様からのお問い合わせを頂いておりますので、ここで当店の見解についてご説明させていただきます。
中国産乾椎茸・木耳の安全についての見解
当店でお取扱いしております中国産乾しいたけ・きくらげは、数十年来の取引で培った中国の信頼のおける輸出公司から仕入れております。
●中国公司の輸出までの検査は3回です。(2007年7月時点)
1.公司が原料を仕入れる前に生産地よりサンプルを取り寄せ、農薬検査をおこないます。
2.結果が未検出であれば原料を仕入れ、その原料の中から再度無作為抽出し農薬検査をおこないます。
3.公司から日本へ輸出する前にさらに農薬検査を行ないます。
※中国内で3回の検査で合格した物を日本へ出荷いたします。
●日本に原料が入った際に国が検査します。
輸入通関される時、現在は全て厚生省による命令検査にて数項目の農薬検査確認がされ、コンテナから原料を全て降ろし倉庫に保管後、1ケースから200~500gずつ無作為抽出し検査を行ないます。
不検出を確認された物のみが輸入許可されます。合格すれば再びコンテナに積み込んで、荷主へ配送します。現在国内で流通している中国産椎茸類は全てこの検査にて合格した物です。
●当店に入庫した際に再度確認します。
新物が入庫した際、安全確認のため自主的に一斉農薬検査で229項目の検査を行います。結果は全ての項目において未検出でした。
こうした二重三重の安全確認を行ったうえで当店の輸入乾椎茸・きくらげは安全であることと判断し、販売させて頂いております。